なんか3人でだらだら書いてる

sumireというサービスを開発している3人がsumireに関係ないことばかり書いてるブログ

バランス

元来引きこもりがちな性質で、できることなら家(というか部屋)の外に出たくない。けれど、人に会わないと何も動き出さないのだということは、この33年で身に沁みてわかっている。わかっているので、岡山から東京に居住を移した。引っ越しの目的は言うまでもなく、今作っているwebサービス、sumireの営業のため。人生20回目の引っ越し、8度目のシェアハウス生活。今の家は比較的小規模なシェアハウスかつ、住人はみんな社会人のため、夜遅くまでわたし1人でいることも珍しくない。部屋は普通に6畳1間の個室だし、さながら1人暮らし。これは倒れても気づかれない…シェアハウスでまさかの孤独死

 

さて、営業とは言ってみたものの、何をしたものか筋書きがあるわけでもない。率直に言えば、何すればいいかわかんなーい、というのが本当のところ。みんな何してんだろ? 考えてもわからないので、わたしの営業は、人に会って「みんな何してんの?」と尋ねることから始まることになるだろう。

 

そんなわたしを見かねてか、小倉が『TRACTION スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル』という本をくれた。知らなかったことも書いてあったし、知っていることもわかりやすく書いてあった。字引として持っておきたい良書。とくに「プロダクトトラップ(よいサービスや製品さえ作れば人が寄ってくる、という誤った考え)」については、陥らないよう改めて自覚を持ちたい。

 

トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル

トラクション ―スタートアップが顧客をつかむ19のチャネル

 

 

ただ、翻訳されたビジネス書にありがちなんだけど、「リソースを集中すべき、最も見込みのありそうなトラクションチャネルを探すときには、比較的狭い範囲に限定してチャネルのテストを行います。」ぐらいの頻度でカタカナが出てくるので、普通に読み疲れた。個人的には、読書のBGMにこの曲を流すくらいのアイロニーは持っていたい。

 

www.youtube.com

 

スタートアップの前線にいるような人に会い疲れたら、場末の居酒屋にいるようなおっさんに会いたいし、効率化や価値最大化に疲れたら、意味を解釈しかねる現代アートでも見に行きたい。できる限り、いつだって中立的でいられたらと思う。

 

チームだってそう。小倉は効率化の塊のような左脳人間だし、渡邊は感性を具現化したような右脳人間だ。わたしは時々、小倉の理屈っぽさや、渡邊の自由すぎる感性に苛立ちを禁じえないときがあるけれど、それは絶対に間違いで、彼らの言動は決して咎めるべきではない。なぜなら、彼らがそれぞれ己が方向性へと突き進んでいけばいくほど、チームとしての、そしてその中立であるわたし自身の幅が広くなっていくはずだからだ。

 

だからさー、わたしは未だにiPhone4sを使っているんだよ。webサービスを開発している人間が最新のガジェットを持っているのは当たり前だから、4sを使うことでバランスをとっているのです。ってことにしようよ。そういえば、先日「この人の説明は一言。日本で唯一、webに携わっておきながらiPhone4sを使ってる人」と紹介されて、笑った。わたしはこれでいいんだと、なんとなく満足した。

かわむら