なんたらほに
岩手出身です。
と言うと、「全然なまってないねー!」って言われることがあるんですけど、隠しているとかそういうのは全然なくて。さしてなまってないんです、もともと。地元に帰っても大差ないはず。
それでも、「あ、これ方言だったんだ…」と大人になってからようやく気づいた言葉や言い回しがいくつかあるので、紹介しようと思います。
気づかない度☆1
「なげる」
捨てる、の意。だいたい「ゴミなげといて」のようにセットで使われるので、他県の人でもわかりやすい。まあ、地方によって言い方が違うのだなーと納得できるレベル。
気づかない度☆☆2
「しゃっこい」
冷やっこい、の流れを汲む方言だと思うのだけど、今調べたら、けっこう広域で言うらしいですね。意味はそのまま。語感がめんこいよね。
気づかない度☆☆☆☆☆5
「したっけ」
そうしたら、の意。〜よね、の意。〜だろうか、の意。汎用性高すぎ。
「フェザン行ったっけさ、もう閉まってて」
「あー、靴買いたいって言ってたっけね」
「そうそう、話したっけ?」
みたいに使う。
「なんで“けっけけっけ”言うの?」って人に言われて初めて気づいたっけな。やんたくなるじゃ。あ、フェザンは盛岡の駅ビルです。
気づかない度☆☆☆☆☆☆☆7
「だから」
それなので、の意……標準語では。岩手では、それ以外に相槌として使います。
「今日、寒くなりそうじゃない?」
「だからさー」
とか。
要は「それな」「あーね」です。若者言葉? おらほのとこではずっと言ってだすけ。
気づかない度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆10
「うるかす」
潤かす、ということだと思う。米をうるかしたり、食後に皿をうるかしたりする。水に浸して水分を吸わせることだそうです。でも、この意訳にすら違和感。“うるかす”は“うるかす”としか言いようがない。
“うるかす”を説明しなければ意味が通じないということに気づいたときは、本当に衝撃だった。わたしは10代を岩手で、20代のほとんどを沖縄で過ごしたのですが、「沖縄の人は”うるかす”って言わないんだなー」くらいにしか思ってなかったです。いや、まじで。
“うるかす”は、どうやら北海道でも使われるらしい。どさんこの友達に“うるかす”は標準語ではないということを話したら「え? “うるかす”使えないの?! めっちゃ不便じゃん!!!」って爆笑してた。わかるわかる。
だって、ごはん食べたら、お椀っこうるかさないとわがんねすけな。なんたらほに。って思うよね。
何言ってるかわかんない? すっだこどわがってらじゃ。まあ方言にもいろいろあるけど、言語文化は大切にしていきたいよね。まんず今日はこのへんで。んだばね。
番外編
今知った度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ズック」
これズックって言わないの?! うそ! なんたらほにほに!
かわむら